具体と抽象のエレベーター。

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読書の技法(佐藤優 著)」を読みました。感じたことその2です。(二日分まとめてアップ)

氏の知的なバックグランドの広さと深さとともに、一見して関連のない事項同士を結びつける能力に感嘆します。


これは筆者の予想ですが、氏は具体と抽象の間をかなり自由自在に行き来できるのではないかと思います。具体の世界から抽象の世界へ上り下りする高速エレベーターを脳内搭載しているのではないかと。さらに抽象概念同士の移動(比較)にも長けているのではないかと。氏が月間に数百冊の書籍を読むことができるのも、書籍に書いてある具体論をほとんど瞬時にして抽象化して過去に蓄積した知識と結びつけて処理しているいからなのではないかと推測されます。

読書において、「量は質に転化する」のかどうかは筆者には答えがだせていなかったのですが、氏のような十分な質が担保されたバックグラウンドがあれば「量は質に転化する」のかもしれないと感じます。


氏のような能力をもってなお「読むべきでない本を選別するために速読が必要」というのですから、世の中にはいかに本があふれているかというのがわかります。実際、およそ人間には読み切れないだけの本がすでに出版され、そして毎年増え続けているのですから、何を読んで何を読まないかという選択が非常に重要なのは間違いないでしょう。

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