テレ東の大江アナが出演している日経ヴェリタスのポッドキャストを筆者は愛聴しています。無償のポッドキャストは勉強になるものも少なくない上に、耳で聞くことができるので電車やバスの待ち時間など、移動中でかつ本を読むことができないシチュエーションでは大変重宝しています。
そんなわけで、たまに日経ヴェリタス本誌も買ってみたりします。先週買った本誌の記事に「お一人様」をターゲットにしたサービスが好調で、そういったサービスを提供している企業の株価が堅調だというものがありました。
晩婚化が進んでいるということは独身でいる期間が長いということになります。また、高齢化社会が到来したときには、一般には女性のほうが長生きですから老後を単身で過ごす人も増加することでしょう。
また、インターネットの台頭によってこれまでと違ったニッチな市場でも商売として成り立つ部分が増えてきました。Amazonのロングテールなどもその一例といえるでしょう。
労働環境をみても、折しも電機業界では大規模な人員削減が検討され始めましたし、数年前のJALの破綻などを考えても旧来型の大規模組織が必ずしも収益を上げられるとは限らなくなっています。一方で、ノマドワーキングという言葉に脚光が当たるなど、より組織や大きな集団にとらわれない働き方というのが模索され初めているようにかんじます。
日常の生活にしても、働き方にしてもより個人というものの存在が大きくなり始めているように感じます。
どれだけ家族がいようとも、信頼できる人間がいようとも、一人の人間が生まれてから死ぬまでというのはその人独自のものです。そして、人生におけるひとつひとつの判断もその人しか行うことはできません。つまり、人間は元々「個」という存在です。
そのように考えると、上記のような個人という「個」に焦点が当たるというのはある種の原点回帰なのかもしれません。
ドラッカー氏の著作によれば、今は「断絶の時代」であり、いよいよその断絶の時代も終盤にさしかかっているとのこと。「個」への回帰もその流れのひとつなのかもしれません。
筆者の貧弱な想像力では、それがどのような未来を創造するのかまでは想定できていないですが…。