ニッチじゃないグローバルなんてしんどいだけだと。

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猫も杓子もグローバル化な昨今ですが、グローバルになったら生き残れるわけじゃなくて、むしろ壮絶な生き残り競争にさらされるだけだよねっていうお話です。

日本の人口はすでに減少をはじめたようですし、少子化もあまり改善の兆候はみられないので、今後は生産年齢人口は減っていく一方でしょう。ご老人がお金持ちだとはいっても、ストックがあるだけでフローはないので、どこまで消費者としての役割が期待できるかは怪しいところです。その上、国の行く末が気になるとなっては財布のひもは固くなるというもの。

その一方で、若年層の給料が右肩上がりかというと決してそんなことはなく、そもそも正社員ですらどうなるか分からないのに、非正規雇用者も多いとあっては消費は期待できません。

そうなると、企業としては日本の市場の拡大には期待できないということで海外市場に打って出るというグローバル戦略になるのは理解できます。

しかし、海外には市場が存在しているだけで、そこでシェアがとれるなんてことは誰も保証してくれません。ガラパゴスで生きてきた日本企業が世界に通用するかは甚だ疑問です。良くも悪くも日本は島国でクローズされた環境なので、ドメスティックスタンダードで生きて来られたわけです。グローバルスタンダードの世界で戦っていくためには相応の努力が必要なわけです。果たしてそれが社内に不良債権と化した人員を抱えて行えるほど甘いものなのかは疑問符です。

ちなみにSI事業ほどグローバルで勝てなそうな事業はなかなかない気がします。エライ人は「プロジェクト管理のノウハウを売る」とか言い出す予感はしますが、そもそも技術を知らないPMがプログラマをチープレイバーとして扱って管理するという破綻したモデルが海外で売れるとはとても思えません。日本独自路線を許してきたIBMですらスルガ銀行の失敗を機に転換を計るような雰囲気です。SIerというのはこれから縮小していくドメスティック市場のパイの取りあいをする運命にあります。クラウド化したら強制的にグローバルな企業に仕事を奪われかねないので、DCを日本におくメリットをどれだけ顧客に訴求できるかという一点にかかってくるような気もします。いずれにしても、淘汰される企業が増えることは間違いないと予測します。

むしろ、ニッチな事をやっている企業ほど、ロングテールを狙えるのでグローバルでは生き残れる気がします。ニッチな部分に新規で参入しようと思う企業はそれほど多くないでしょうし(マーケットが小さいから)、ニッチな世界で名をあげている企業は独自のものをもっていたりするのでそれが参入障壁にもなるかと。換言すれば、グローバルにドメスティックなことをやるということです。

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