必要条件?十分条件?必要十分条件?

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今日は前置き的な記事になります。成功者の伝記などでは「生き残りバイアス」に注意する必要があるというのが最終的な主張になる予定なのですが、それにはまず「必要十分条件」という概念を適切に理解しておく必要があるかと思うので、自分なりの復習の意も込めて今日はその話を。

 

おそらく多くの人は高校数学で「必要条件」・「十分条件」・「必要十分条件」について習い、センター試験などでその理解を問われたことでしょう。

A⇒B(AならばB)

が成り立つときに、「AはBであるための十分条件」であり「BはAであるための必要条件」といいます。数学的な表現の例をあげてもあまり今後の話には役立たないので、卑近な例をあげます。「人間⇒動物(人間ならば動物)」を考えます。これは、人間であるならば、それは漏れなく動物であることを意味しています(人造人間というのは今日現在は筆者の認識では存在していないという認識です笑)。一方で、動物であるからといってそれが人間とは限りません。犬かもしれないし、馬かもしれないし、牛かもしれません。「人間であることは動物であるための十分条件」であり「動物であることは人間であることの必要条件」となります。

日常生活でも「十分条件」や「必要条件」という単語が使われることがあります。特に筆者を含めて理系の人は好んで使うようです。そういった表現を適切に理解するには上記の知識が必要です。日常で使われる表現だと、「Xという状態」を目的としたときに、「Yであること」が十分条件なのか必要条件なのかが議論の的になることが多いでしょう。十分条件であれば、YでありさえすればXという状態に必ずなります。一方で、必要条件である場合はYであってもXにならないこともあり得ます。

 

なお、A⇒BとB⇒Aが同時に成り立つときに「AはBであるための必要十分条件」あるいは「BはAであるための必要十分条件」といいます。これは言い換えるとAとBは同値であるということです。記号だとA⇔Bと表現されます。AやBの表現が一見違うように見えて、AもBもまったく同じことを意味しているということです。

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