帰納的に一般化するときは証拠を探すのではなく、反例を探す。

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昨日のエントリでは、過度な一般化は見誤ることがあるので気をつけましょうという話でした。

 

帰納的に一般化するというのは、具体的な事象をを複数集めてそこから共通点や法則を抽出するタイプの一般化です。日常的にもよく行われている方法なのですが、見誤ることもあるので注意が必要です。この手の一般化をするときには、なんとなく一般化した命題が正しいことを示す証拠をあげつらうということをしがちなのですが、どれだけ証拠を増やしたところでその一般化が100%正しいということにはなりません。なにかを正しいと示すのは非常に難しいのですが、間違っていると示すのは非常に簡単で、反例とよばれる一般化が当てはまらない例をひとつでもあげられればよいのです。そこで、その一般化は瓦解するか、特定の条件下で成り立つという形に変更せざるを得なくなります。

帰納的に一般化する以上、どこまでいっても100%の正しさを示すことはできないのですが、証拠をあげつらうことよりもむしろその正しさの確かさをあげる方法があります。それは反例を探す(反証を試みる)ということです。反例が見つかった瞬間に一般化の正しさが崩れるのならばむしろそれを積極的に探して、見つけることが難しいこと示してみるのです。もちろん、n回反例を探して見つからなかったからといって、n+1回目に見つからない保証はどこにもありません。それでも、正しいことの確信の度合いを高めることはできるでしょう。

反例を探す道をとったところで100%の正しさを示すことはできないのですが、苦労して証拠をたくさん集めたにの関わらず、あっさりと反例をあげられて瓦解する可能性が小さいと確信することはできるでしょう。それは、その一般化がより安全であると考える根拠になります。

 

少々逆説的な展開になりましたが、なかなかに一般化というのは難しいという証左なのかもしれません。

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