【IT論考β】 MVNOの熾烈な戦いと大手キャリアの怠慢。[#108]

IT

 

■ MVNO(仮想移動体通信事業者)については

  何度か話題にしたことはありますが、

 

  「結局なにものなの?」

 

  という方も多いかもしれません。

 

 

  先日、某週刊経済誌に「格安スマホ・SIM」の

  特集が組まれたので、そこで学ばれた方も

  いるかもしれませんね。

 

 

■ いちおう、おさらいしておくと

 

  MVNO(仮想移動体通信事業者)とは

 

   インフラを持つ既存キャリアから回線を借りて

   自社ブランドで携帯回線を再版する業者

 

  のことを指します。

 

  自社ではインフラを持っていないにも関わらず、

  通信キャリアのような事業 =「移動体通信事業」

  をするので、「仮想」とつくのです。

 

 

  やっていることは、既存キャリアの回線を

  顧客のニーズに合わせて再販(切り売り)すること

  なので、

 

  究極的には「すき間産業」です。

 

 

  大手キャリアが、大多数の消費者が望むような

  サービスを提供していたらMVNOは極めてニッチな

  存在になるはずです。

 

 

  すでに顧客との接点を持っていて、

  かつ回線を直販できる大手キャリアは

  圧倒的に優位な存在だからです。

 

 

  にもかかわらず、

  総務省がSIMロック解除を義務づけたり

  IT系のニュースとして格安SIMが話題に事欠かないのは

 

  既存のキャリアが怠慢かつ放漫な

  経営をしているからでしょう。

 

 

  端的に言えば、消費者が

 

   「スマホ/タブレットの通信料金は高い上に、

    キャリアのサービスはよくない」

 

  と思うからこそ、MVNOが脚光を浴びるのです。

 

 

  MVNOがいくら料金競争をしたところで、

  既存キャリアの直販より原価が安くなることは

  構造上あり得ないので、

 

  MVNOによる「格安SIM」というビジネス自体

  成立しないはずです。

  (特殊な使い方をするニッチな層に対しては

   相対的に「格安」にはできるでしょうが)

 

 

  なんとも皮肉な構造です。

 

 

■ とはいえ、

  既存キャリアの料金に高止まり感があるのは確かであり、

  あまり競争する雰囲気も見られません。

 

  となると、MVNOにはしばらく光があたり続けるでしょうし

  それをうまく使いこなす人たちは得をすることになるでしょう。

 

 

 今日の【まとめ】

 ■ MVNOは本来ならば「すき間産業」

 ■ 直販ビジネスである既存キャリアが通常は有利

 ■ MVNOが多数の人々に恩恵をもたらすのは

   既存キャリアの怠慢・放漫が原因

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