■ MVNO(仮想移動体通信事業者)については
何度か話題にしたことはありますが、
「結局なにものなの?」
という方も多いかもしれません。
先日、某週刊経済誌に「格安スマホ・SIM」の
特集が組まれたので、そこで学ばれた方も
いるかもしれませんね。
■ いちおう、おさらいしておくと
MVNO(仮想移動体通信事業者)とは
インフラを持つ既存キャリアから回線を借りて
自社ブランドで携帯回線を再版する業者
のことを指します。
自社ではインフラを持っていないにも関わらず、
通信キャリアのような事業 =「移動体通信事業」
をするので、「仮想」とつくのです。
やっていることは、既存キャリアの回線を
顧客のニーズに合わせて再販(切り売り)すること
なので、
究極的には「すき間産業」です。
大手キャリアが、大多数の消費者が望むような
サービスを提供していたらMVNOは極めてニッチな
存在になるはずです。
すでに顧客との接点を持っていて、
かつ回線を直販できる大手キャリアは
圧倒的に優位な存在だからです。
にもかかわらず、
総務省がSIMロック解除を義務づけたり
IT系のニュースとして格安SIMが話題に事欠かないのは
既存のキャリアが怠慢かつ放漫な
経営をしているからでしょう。
端的に言えば、消費者が
「スマホ/タブレットの通信料金は高い上に、
キャリアのサービスはよくない」
と思うからこそ、MVNOが脚光を浴びるのです。
MVNOがいくら料金競争をしたところで、
既存キャリアの直販より原価が安くなることは
構造上あり得ないので、
MVNOによる「格安SIM」というビジネス自体
成立しないはずです。
(特殊な使い方をするニッチな層に対しては
相対的に「格安」にはできるでしょうが)
なんとも皮肉な構造です。
■ とはいえ、
既存キャリアの料金に高止まり感があるのは確かであり、
あまり競争する雰囲気も見られません。
となると、MVNOにはしばらく光があたり続けるでしょうし
それをうまく使いこなす人たちは得をすることになるでしょう。
今日の【まとめ】
■ MVNOは本来ならば「すき間産業」
■ 直販ビジネスである既存キャリアが通常は有利
■ MVNOが多数の人々に恩恵をもたらすのは
既存キャリアの怠慢・放漫が原因