ITが車と同じ存在になった世界。

IT

日常にITがあふれている現代において、自分の利用しているIT機器やITサービスの仕組みを理解しているユーザは相対的に少なくなっているように見えます。しかし、それはあるテクノロジーが普及する過程においてはごく自然なことです。

なぜなら、ユーザはテクノロジーの恩恵を受けたいのであって、テクノロジー自体に興味があるわけではないからです。車を運転するユーザの大半は便利な移動手段として使っているだけで、車そのものに興味や理解があるわけではありません。同じように今や多くの人はITによって便利な生活を送りたいだけで、ITそのものに興味や理解がある人は少数派です。

「ITが車と同じ存在になる」と10年近く前から思っていましたし、もう車と同じ存在になったかなとも思っていましたが、どうやらそれ以上かもしれません。ここでもスマートフォンの存在が一役買っているのです。

ITエンジニアからみれば、スマートフォンというのはパソコンに限りなく近い存在です。サイズと見た目が違うだけで、技術的にはパソコンで使われているものが起点だからです。つまりパソコン≒スマートフォンです。スマートフォンの黎明期からスマートフォンに飛びついたユーザはもこの発想に近いと思われます。

一方で、携帯電話ユーザから見るとスマートフォンは携帯電話(ガラケー)の延長線上です。ガラケーを機種変更したらスマートフォンになるという状況なので、ケータイ≒スマホと考えるのも無理はありません。

携帯電話のユーザは外出先でも電話(やメール)がしたいのであって、携帯電話が繋がる仕組みに興味があるわけでも、電話自体の仕組みを理解したいわけでもありません。その延長線上で考えるならば、スマホユーザがその仕組みについて興味を持ったりしないのも自然の流れと言えるでしょう。

果たしてその仕組みを知らずしてスマホを使うことにリスクはないのでしょうか?

それはまた別のお話。

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