SNSは何かを変えるのか?

IT

時代はソーシャルだ、というのが昨今の世相です。就活でもマーケティングでもいかにSNSを活用するか、などというのが注目の的です。

たしかに使い出もあり、それなりに便利なSNSですがそこに待ち受けるのはWebの宿命である果てしなき弱肉強食の世界かもしれません。

Googleの検索結果から外されてしまうことをGoogle八分などと呼びますが、玉石混交なWebの世界にあって世間の目に触れられるかどうかは今や検索エンジンにかかっているという現実を表した言葉です。まさにグローバルな空間において世に出られるのは検索結果の上位にランキングされる上澄みだけです。したがってマスを対象としたキーワードは激戦区であり、そこで上位に食い込むのは並大抵のものではありません。

かようにWebの世界は厳しいものですが、一方でニッチが生き残れる空間でもあります。リアルの世界では需要が少なすぎて意味を持たなかった存在でも、グローバルな空間ではそれなりの需要が集まるということです。

さて、ここまではSNS以前のお話ですが、SNS以後はどうなるのか?

ほとんど変わらないと言うのが結論でしょう。いまで圧倒的多数の情報がWebに漂うただのbit列であるように、SNSでの書き込み・つぶやきもその大多数はただのbit列です。タイムライン上に毎日大量の書き込みが流れていく時代において、数ヶ月どころか数日前の情報すら忘れられてしまうのが現実でしょう。Googleによる検索結果が、「いいね!」の数やリツイートの数に置き換えられるだけで、ほとんどの情報が無いも同然になるという現実は変わらぬままです。

そういえば筆者はもう5年くらい前に、ソーシャルブックマークとしてはてなをとりあげ、「Googleがアルゴリズムによって価値ある情報を選ぶのに対して、はてなブックマークは人間の手によって選ぼうとしている。今後の動向が楽しみだ」という趣旨のエントリを書いた記憶があります。昨今のSNSの台頭は、Webにおける人間による情報の選定が盛り返してきたと見ることもできましょう。

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