具体と抽象のエレベータの速度は多階層組織ほど遅くなる。

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当blogでは十八番ネタともなりつつある具体と抽象のエレベータ話。本日はそれが組織という実体あるものに適用されたときを考察します。

まず、具体と抽象のエレベータのおさらいから。具体的な事象から抽象的な概念を抽出して、その抽象概念を別な世界の具体的な事象に再び落とし込むことをこのblogでは具体と抽象のエレベータとよんでいます。このエレベータは速度に個人差があります。それを頭の回転の早さなどとよぶこともあります。またどこまで高く上れる(抽象化できる)かも個人差があるので高層階行きのエレベータかどうかも人によります。とはいえ、思考という脳内世界での話なので秒単位、長くとも分単位で移動できるエレベータです。

さて、この概念を組織という実体あるものに適用するとどうなるか。聡明な読者の方はお気づきでしょうが、この適用自体が抽象概念を別な世界の具体に落とし込む一例です。

組織は階層構造になっているのが通常です。階層数は組織の規模によっても変わりますが、大きくなるほど増える傾向にはあるでしょう。そして正規のエレベータは隣接したフロア間の移動専用です。つまり1階層しか上下できません。現場という具体の世界から組織長まで直通のエレベータは設置されていませんし、それを勝手に設置することは「直談判」とよばれる例外行為になります。エレベータに乗るものは基本的には情報です。そして情報という名の乗客はせっせとエレベータを乗り換えて上下するのです(この比喩だとトップからの一斉通達は表現できませんね笑)。乗り換えが発生するということは時間がかかるわけで、組織におけるエレベータの速度は遅くなりがちです。ちなみに上昇の方が遅くて下降は速いエレベータであるのはたいていの組織では仕様です笑。ただし、上昇したと思ったら一向に降りてこないエレベータも結構あります。

このように考えてみると、思ったよりも思考のエレベータと組織のエレベータは違う部分が大きいようです。少しムリのある落とし込みだったかもしれませんね。。

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