成功するための十分条件なんてわからないよ。必要条件ならわかるかもしれないけどさ。

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昨日の記事は前置きだと書いていてたので、今日は本論と言うことで。

 

メディアでは業績のよい企業の社長や、伸びている企業の創業者などにインタビューが行われます。あるいは確固たる成果を上げた人は自叙伝を書いたり、他者がその人を分析した書籍が出されたりします。そして、いずれも一般人の興味関心のまとになります。逆にいうと、多くの人が成功者がどうやって成功したのかに興味があるからそういう話にたいして需要が生まれるのです。

では、なぜ人々はそういった情報に惹きつけられるのでしょうか。おそらくは、そういう情報からエッセンスを抽出して自分にも適用することで、自分の幾ばくかの成果を上げたいからではないでしょうか。成果を上げたいとも思っていないのに、成果を上げた人の話をまじめに聞こうと思う人などおそらくいないでしょう。成果を上げた人から成果を上げる秘訣を得たいと考える人が、そういう情報に興味を持つはずです。極端な場合にははっきりと「成果をあげる秘訣は何ですか?」などという質問がインタビューで行われたりします。

ただこういった話を聞くときに注意しなければいけないのが、成果を上げた秘訣が「その人にとっては」であることです。つまりそれを自分に転用したからといって自分も成果をあげることが出来るようになるとは限らないということです。その秘訣というのはよくて「成果を上げるための必要条件」に過ぎないと言うことです。下手をすると秘訣だと思っていたものは全然成果とは無関係で、必要条件ですらないかもしれません。そこについて多くの人々が適切に理解しているのかどうかは甚だ疑問です。

成果を上げた人が一人では成果を上げる秘訣がわからないということで、成果を上げた人をあげてその人たちに共通する事柄を抽出するという試みをときに行われます。ここから得られた秘訣はより信頼性の高いものに思われます。実際、一人の人間の成果の秘訣を探るよりは万人の役にたつ結果を得られるでしょう。しかしこれとて必要条件の域をでることはないのです。したがって、「こうやれば必ず成果が出る」というような十分条件をそこから抽出することは出来ていないのです。

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