SIerのマーケットは縮小するけど、ITエンジニアのマーケットは無限大。【前編】

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今日は、筆者が勝手にSIerの今後の市場予測をしてみます。

(この記事は、友人K氏との会話からインスピレーションを頂きました。感謝。)

 

すでに業界各社は察知しているようですが、今後はITシステムのクラウド化(Saas・Paas・Iaas)が進むことは必至でしょう。ITシステムがクラウド化するということは、少なくともITシステムがフルオーダーメードではなくなることを意味します。

これまで、SIerは企業のITシステムをフルオーダーメイドやパッケージ製品を利用したカスタムオーダーメイドすることで収益を上げてきました。これらは、どちらも人の手がかかるので原価に占める人件費率は高く、逆に言うとそれだけSIerは多くのSEを抱えてきました。

ITシステムがクラウド化すると、ITシステムはクラウドで提供されるサービスのカスタマイズが中心になります。それは、より小規模なカスタムオーダーメイドが中心になることを意味します。場合によってはSaasをそのまま顧客企業が利用するとなると、カスタムすらいらなくなります。

つまり、間に大量のSEが介在する必要がなくなります。それは、SEが大量に余ることを意味します。当然に、SEの稼働率と呼ばれるものは下がります。いわゆる「社内失業」状態のSEが増えるのです。日本の企業は労働者を解雇することは非常に難しいですから、労務費が下がることはありません。(それが元請け企業で起こるのか、下請け・孫請け企業で起こるのかは棚上げします)

問題は、クラウドサービスからいまと同じだけの売り上げを得られるかどうかです。売り上げが変わらないのであれば問題は無いでしょう。しかし、すでに登場しているクラウドサービスの価格は明らかに安いです。そして、その価格競争はおそらくグローバルに繰り広げられます。したがって、もし市場でシェアを獲得できなければたちまち赤字に転落することでしょう。

 

とはいえ、今後も日経225の構成銘柄になるような大企業は自社でシステムを保有し続けるでしょう。したがってそういった企業は自社でシステム開発をするニーズがあります。ただ、そういった企業は子会社や関連会社にシステム会社も保有していたりするので、あるいは今後はシステムの内製化が進むこともあり得ます。

 

したがって、いずれにしてもシステムインテグレーションというマーケットは縮小していくと予想されます。システムインテグレーションを行う企業のことをSIerと呼ぶのですから、SIerのマーケットが縮小するということです。つまり、SIerが会社として生き残るには業態転換をすることが必要です。だからこそ、SIer各社はクラウドサービスに舵を切っているのでしょう。

 

でも、クラウドサービスが広がったら、SEは大量に社内失業するのでした。そのSEたちはどうしたらよいのでしょう??

その辺は次回で。SIerのマーケットは縮小するけど、ITエンジニアのマーケットは無限大。【中編】

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