IT業界に未来はあるのか?

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本日はITproのニュースから二つをご紹介。日本のソフトウェア産業やSEに未来はあるのかと考えさせられる記事です。

記者の眼 – 「新卒年収1500万円」は当たり前:ITpro

Twitterでも結構RTされているので目にしているかたも多いはず。記事のタイトルはちょっと釣りというかセンセーショナルなものになっていますが、内容はきわめて示唆に富んでいます。

20年近く前から、「これからはソフトウェアの時代だ」といっていたにもかかわらず、日本音大手電機メーカーにはいまだソフトウェアの時代が到来していないと記者は指摘しています。そしてそれを、

「ソフトウェア開発、言い換えればプログラマを軽視したからだ」

と断じています。

確かにその通りです。日本ではプログラミングは「下流」と位置づけられ、いかに単価を抑えるかということに各社が腐心しています。協力会社とよばれる外注先に委託したり、オフショアとして海外に流すことが盛んです。いまだ、年功序列型の会社が多い中にあって、優秀な一部のプログラマを相応の待遇で登用するというのは日本企業には期待できそうにはありません。

田中克己の針路IT – スルガ銀-IBM裁判から垣間見えた“SI時代の終焉”:ITpro

また、衝撃的なタイトルです。

記事はスルガ銀行とIBMの裁判の話を起点にしていますが、内容はもっと別のところにあります。曰く、日本IBMがこれまでとっていたSI路線は、世界のIBMの事業からすると日本独自のものであったと。そして、それを世界の潮流にもどす方向に軌道修正していくのではないかと。

記事でも指摘されているとおり、ITというものがユーティリティ(筆者のblogではインフラと称しています)になっている感覚は日増しに強くなっています。SaaS化が進めば、システムを一から作り上げる時代は終焉するというのもあながち間違いではないでしょう。システムの保有自体がユーザ企業にとってコスト的にも人的にも負担になりつつある中において、少数の超大手企業を除けば、システムを自社で保有しない方向に流れていく可能性は大いにあります。

そして、記事中で何より耳が痛いのは、下記の指摘。

ところが、頼りにするITベンダーやITサービス会社の技術力は果たして向上したのだろうか。システムの巨大化、複雑化を理由に、失敗プロジェクトは増え続けているように思える。2011年度決算でも、不採算案件を抱えたITベンダーとITサービス会社は少なくない。

これは、上記のプログラマ軽視問題とリンクします。実装を自分たちでやらないにも関わらず、技術力だけは担保しようとすれば相当の努力が求められるはずです。果たして多くIT企業はそれを実際にできているのか? それは疑問符がつきます。

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