お客様の要望をしっかりと引き出して要件に落とし込む力というのがSIerでは重視されているようです。その能力いかんで構築するシステムの優劣が決まるので確かに正しくはあります。特に具体的な機能の話についてはいかに要望を引き出すかは鍵にはなるでしょう。
しかし、そもそもシステムで何をやりたいのかの部分はRFPに書いてあるはずでは?
先日Twitterのタイムライン上で見た、「SIerのやっているのはお客様の代わりにRFPを書いてあげるサービス」というのがその疑問に答えてくれるのかもしれません。必ずしもお客様が具体性をもったRFPを書いてくるとは限らないと。
営業面から考えても、RFPを書くという段階より前にニーズを捕まえてシステム化に話をもっていくというのは受注確保には貢献するように思えます。
ここまでの話はすべて顕在化しているニーズのあるところにいかに対応するかという話です。それはそれで企業として必要なことなのでしょうが、果たしてこれからの時代にそれで成長の余地があるのか?
またしてもAppleの例で恐縮ですが、ジョブズは単に顕在化しているニーズに対応した製品を送り出したわけではありません。潜在的なニーズ、あるいは誰もニーズとさえ思っていなかった部分を掘り起こして市場を作り出したわけです。
システムの世界でも、「え?そんなことができるの?思いもつかなかった」と思われるようなものを作り出すことができたならば、そこにはブルーオーシャンが広がっているのではなかろうか、と。
しかし、受注があってはじめて製作に入るという完全受注生産モデルをしいているいまのSIerのビジネスモデルでは現状難しいのですが…。