システムをオレ様に合わせるのか、オレ様がシステムに合わせるのか。

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昨日の記事を少し深めます。

顧客の業務に合わせてオレ様仕様のシステムを作って差し上げるのがSIerのビジネスモデルだとはいうものの、オレ様(顧客)がシステムに合わせて業務を行うように説得するのもSIerのお仕事だと思うのです。特にコンサル的なことも担いたいというSIerは。

 

システムを作ったらシステムに合わせて業務やルールを変えるべきだという主張は、『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』で有名なエリヤフ・ゴールドラット氏が著書『チェンジ ザ ルール』でも述べていますが、その通りだと思います。

 

確かに、要件を複雑に定義して、例外処理に例外処理を重ねて、複雑なシステムにすれば複雑な業務にも対応できるわけです。しかし、それは作る方にも作ってもらう方にもたいしてメリットはないのです。一見、作る方はシステム規模が大きくなるので受注金額が多くなって売り上げが大きくなるというメリットがあるように思いますが、規模が大きくかつ複雑になればなるほど難易度は上がるのでリスクが露呈したときの損害は大きくなります。作ってもらう側にとっても支払う金額は大きくなる上に、メンテナンスすべき対象も増えるので運用にもお金がかかりますし、改修も大変です。

 

基本的には、能力の高い方のやり方に合わせた方がアウトプットの総量は増えると考えられます。システムを使うオレ様とシステム(=コンピュータ)のどっちが能力が高いかというとシステムです。オレ様にしかできないようなことはそもそもシステム化の対象にならなないので当たり前です。

システムの力を利用してアウトプットを量や質を向上させることを考えるのであれば、当然にしてオレ様はシステムの都合のいいようにいままでのやり方を変えるべきです。その方がより安価に効率的にシステムの能力を引き出せるのですから。少なくとも、システムがオレ様に合わせるのと、オレ様がシステムに合わせるのとどちらがコストなどでメリットが出るのかは検討すべきでしょう。

 

そもそもユーザの要望よりも先に製品が出てきて、ユーザが製品に合わせて暮らしぶりを変えたら、あら不思議と便利で離れられなくなっているApple製品なんていうのは、なかなかに示唆に富むと思うのです。

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