抽象化能力と学びの加速度。

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ここ数日、具体・抽象をテーマに記事を書いていますが、今日はそれらと学びの速さの関連について思うところを。

年齢が進むにつれて一般に記憶力は落ちると言われます。実際にはそうではないという説もあるのですが、記憶力の低下を感じる人は多いようです。かくいう自分も20代に入ってからは下落一辺倒で、中学生の頃のように年号を暗記するなどもはや考えられません。
記憶力が低下すると学習効率は落ちます。しかし、大人の勉強の効率が落ちるかというと必ずしもそうではありません。これには抽象化能力の発達が要因のひとつとしてあげられるのではないかと思います。物事を抽象的にとらえるという能力はある程度は年齢が進んでいないと難しいことの一つでしょう。ときには、目に見えないものを目に見えないまま理解するのが抽象的な理解とも言えます。また、ある程度人生経験を積んで自分なりに過去の体験を抽象化するという過程を踏んでいないと具体から抽象への変換は難しいでしょう。あるいは、人は自分や他人の経験を元にそこからより汎用的な部分を抽出し一般化したうえで処世術として身につけています。ほかにも、多くの分野の学習しているほどに抽象的な概念を多く学んでいますから具体から抽象、抽象と抽象同士の行き来を多く経験していることになります。
この、具体から抽象、抽象から具体、抽象と抽象の間を自在に行き来出来ることが新しい概念(分野)を効率よく学習することに役立ちます。抽象から具体への変換が慣れていれば「公式」だけを与えられ、「例」が与えられなくとも、公式の適用箇所を自ら考えることが出来ますから個別的な要素を学ぶ時間は省けます。抽象的なまま理解する場合も、すでに習得済みの分野の抽象概念との関連やその具体との関連を使うことでより早く、しかも深く理解することができます。
このような学習方法は、会得している概念が増えれば増えるほど有利であり、学びに加速度がついていくのが特徴と言えるでしょう。

以前の記事で書いた、トップダウン学習の別な側面と考えることもできます。

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