クラウドとはITの第三次産業化。

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クラウド。わかるようなわからないようなIT用語のひとつ。Web2.0とかと同じある種のバズワード。
とはいえ、流行に乗り遅れるわけにはいかないと皆が思っているようで、IT各社もクラウド戦略というのを重要視しているようです。

ところで、クラウドに参入するということはどういうことか?
それは、これまで製造業、つまり第二次産業であった業態をサービス業、つまり第三次産業化するということです。これは、以前話題にした「目に見えないモノへの課金」への業態転換とも換言できます。
これまではシステムやソフトウェアという製品を販売することで収益をあげる業態でした。とくにシステムインテグレータにおいては、製造原価は人件費であり、対価は人件費に対して一定の利益を乗せて顧客に請求します。この業態は、見積もりの精度が高く、プロジェクトが炎上しない限りにおいてはリスクを抑えることが出来ます。なぜなら、製造に入る前に顧客からの支払い金額が確定するからです。つまり在庫リスクだったり、大型の設備投資は存在しません。運転資金以外に資本がいらない産業なのです。(だからこそ参入障壁が低く、過当競争になりつつあるわけですが)

では、サービス業たるクラウドではどうなるか?
クラウドによるサービスを提供するために設備等は先行投資する必要があります。それに対するインテグレーションにかかわる人件費も先行投資になります。一方で、それに見合うだけの顧客が獲得出来るかどうかは投資時点では不明です。つまり相応にリスクをテイクしていく必要があります。プロジェクトの炎上以外のリスクを背負うことになれていないこの業界がはたしてこの業態転換をスムーズに実施することが出来るのか。
設備投資(先行投資)の必要なかった業態から、先行投資が必要な業態への転換となると、規模の経済がより強く働くでしょうから、大きな資本をもつ企業の方が有利になります。となると、ある程度の業界再編は避けられないとみるのが妥当かもしれませんね。

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